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ブロックと社会

環境課の舞台は、大きな災害を経て復興している途中の未来です。国家は形骸化し、県規模の面積を持った『ブロック』という単位の自治区に管理される、一種の連邦国家のようになっています。
環境課は旧関東圏の“吾妻ブロック”を管理する政府機関です。舞台には多数の大企業や政府機関、マフィアが存在し、各々のブロックはそれらの有力な組織により管理され、事業拡大や技術開発のためしのぎを削っています。

環境課世界の舞台背景は、一見すると2022年の技術レベルとそれほど大きな差はありません。
広告がARになっていたり、ブロック管理により地方都市が集約化されて大規模かつ巨大なビル街が立ち並ぶ構造になっていたり。
あくまで現在のわたしたちが確認できる技術の素直な延長線上にある、少しだけ未来の世界というものが、環境課の舞台背景における外見上の技術レベルなのです。

電脳

電脳は普遍的な通信技術です。
これは神経へタンパク質ベースの(補体系のような)ナノマシンを結合させ、外部との情報通信を可能としたブレインマシンインタフェースであり、電脳間での通信やネット利用、情報処理、はたまたハッキングなど、環境課の舞台で様々な物事に利用されている技術です。

これを取り入れた人間は情報そのものを脳で直接読み取ることが可能となります。多くの人は拡張GUIなどを用いてネットワーク上のデータを扱いやすい形にし、共感覚に近い要領でそれらを読み取ります。

サイボーグと遺伝子操作人種

環境課の舞台では、科学技術の進歩により構造や外観が変化した人間が存在します。

サイボーグはサイバネティクス技術の成長によって一般的になった、身体を機械へ置き換えた人間です。外見上は通信用のアンテナ状パーツが付いているだけの人から、全身に機械兵器を搭載した重装備の兵士に至るまで。様々なサイボーグが活躍しています。

遺伝子操作人種は大きな環境変化に対抗するため遺伝子工学やタンパク質ベースのナノマシン技術を発展させた人間の新しい形質です。動物の身体特徴を継承した市民や体組成が常人と異なる異色の肌を持つ人間も、それほど珍しくはありません。

四次元物理学

四次元物理学は、相対性理論、超弦理論、ホログラフィック原理、量子ホール効果をベースとして構築された熱学です。
この理論の通用する場に限り、媒介粒子のいかんによらず熱損失のない熱の受け渡しすることができたり、限定的に入力運動量よりも大きな運動量を取り出すことができます。

環境課の舞台において、この熱学は最先端の技術として一部の企業や研究機関が実験的に運用を行っています。
かつて文明へ損害を与えた大規模な重力災害は、この熱学の実験や運用と何か関係があるのではないかと疑う人も少なくありません。